ETCが使えなくなる!?ETC2022年問題、2030年問題を解説
2024/08/09
【目次】 1.古いETCが使えなくなる? ETC2022年問題、2030年問題を解説 2.ETC2022年問題は2007年以前の規格のETC車載器が対象 5.まとめ |
1.古いETCが使えなくなる? ETC2022年問題、2030年問題を解説
2022年12月より(現在無期限延長)、一部の古いETC車載器が使えなくなることをご存じでしたか?お手持ちのETC車載器が、2022年に使えなくなるETC車載器ではなくても、2030年に使えなくなってしまうETC車載器の対象かもしれません。今回は2022年問題、2030年問題について解説していきます。
ETC車載器とは?(ETC車載器、ETCカード、ETCレーンの区別を説明)
そもそも、2022年・2030年問題にかかわる「ETC車載器」が何を指すかご存知でしょうか。以下、「ETC」という名称で混同しがちなものを解説いたします。
【ETC車載器】
ETCカードを挿し込む装置のこと。高速道路の料金所と無線通信で情報をやり取りするためにある。
【ETCカード】
高速道路や有料道路の通行料金を自動的に支払うためのICカードのこと。入り口で通行券を受け取るため、出口で料金を支払うために停車する必要がないことによりスムーズな通行を可能とする。
【ETCレーン】
ETC車載器を搭載した車両のみが通行できる専用のレーンのこと。高速道路や有料道路の入り口、出口にある。
古いETC車載器はいつまで使える?
さて、ETCカードには使用期限年月の記載がありますが、ETC車載器はいつまで使うことができるのでしょうか。2022年問題、2030年問題が大きく関係してきます。
ETC2022年問題、2030年問題とは?
2022年には電波法の一部改正、2030年にはセキュリティ機能を向上させるための新規格導入のために一部ETC車載器が使えなくなることを指します。お使いのETC車載器が該当しないか確認する必要があります。
2.ETC2022年問題は2007年以前の規格のETC車載器が対象
2022年問題は2007年以前の規格のETC車載器で、かつ「旧スプリアス規格」に基づき製造された車載器の一部が2022年12月以降使えなくなるとされていた問題のことです。
ETC2022年問題は電波法関連法案の改正に伴う許容値の変更が原因
2005年の電波法改正により、ETCには本来必要のない電波である「スプリアス」を旧規格に基づいて発しているETC車載器を使用すると、2022年12月以降、電波法違反の扱いとなります。しかし、2021年8月に総務省は新スプリアス規格への移行期間を当分の間延長としております。
これは新型コロナウイルスの影響によって移行に遅れが生じていることを考慮しての措置であり、現段階では「当分の間」がいつまでを指すのか明確にされておりません。
2022年問題で使用できなくなる車載器は限定的
とはいえ、2022年問題に該当し電波法違反となる車載器はとても限定的です。2007年以前から使用している車載器がある場合は確認が必要でしょう。実際に該当するかは、ETC車載器本体に添付されているシール、セットアップ証明書、取扱説明書などで「型式番号」をチェックし、各メーカーのサイトにて対象か確認しましょう。
移行後も通過は出来るが違法に
2022年問題の猶予期間がいつまでかわからないと、急にETCレーンを通過できなくなってしまうのでは…と心配になるかもしれませんが、猶予期間を過ぎても、ETCレーンを通過できなくなることはありません。
しかし、法律上不可であるため猶予期間を過ぎても旧スプリアス規格のETC車載器を使い続けることは違法に当たります。刑罰内容は「1年以下の懲役または、100万円以下の罰金」、さらに公共性の高い無線局に影響を与えた場合は「5年以下の懲役または、250万円以下の罰金」が科せられる可能性があります。
旧スプリアス規格に該当のETC車載器を使用している場合は早急に対処を行った方が良いでしょう。
3.ETC2030年問題の影響は広範囲
2022年問題に該当するETC車載器がとても限定的であるのに対して、2030年問題に該当するETC車載器は広範囲にわたります。こちらはさらに多くの方々が注意して確認する必要があります。
ETC2030年問題はセキュリティ規格の変更が原因
2022年問題が電波法改正に伴うものであったのに対し、2030年問題はセキュリティ対策のために使用できなくなる機種が増えるとされています。
これは国土交通省が2017年に情報漏洩などを防止するために、セキュリティ規格を2030年頃までに変更するとしたものです。昨今のIT機器の能力向上による脅威の増大に備えての変更であるため、セキュリティに何らかの脅威が発生した場合は2030年を待たずして規格が変更される可能性もはらんでいます。
現段階で新規格になる明確な日時は公表されていませんが、ETC車載器の購入を考えている場合は新規格にも対応しているか、もあわせて検討材料としてもよいのではないでしょうか。
旧規格の対応の車載器は通過できなくなる
2022年問題では旧スプリアス規格のETC車載器であってもETCレーンの通過は可能であったのに対して、2030年問題対象の旧セキュリティ規格のETC車載器は、ETC車載器規格変更後、ETCレーンを通過できなくなります。ETCレーンに入って通過できないとなってしまうと事故の要因にもなりかねないため、必ずお手持ちのETC車載器が新規格にも対応しているのか確認しましょう。
2030年問題の対象機種の見分け方
2030年問題の対象機種かどうかは、以下の方法で確認ができます。
車載器管理番号で確認する方法
車載器管理番号は、取扱説明書、ETC車載器セットアップ申込書、ETC車載器セットアップ証明書などに記載されています。管理番号の1桁目が「1」の場合新セキュリティ規格対応、「0」の場合旧セキュリティ規格対応車載器です。
車載器管理番号を確認する際、ETC車載器型式番号とは異なるため注意が必要です。
4.必要に応じてETC車載器の買替を
2022年問題の猶予期間の期限の発表や2030年問題の具体的な日時の発表があった際には、多くの人がETC車載器の購入をすると予想されます。期限が迫っているのに品薄で手に入らない、ETCが使えない、という事態に陥らないよう、ご自身の所有するETC車載器の規格を確認し、必要であれば計画的に買い替えを進めると良いでしょう。
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例えば、車検証はあるがETC車載器の管理番号が不明・・・といった場合にも当組合にご加入いただいている組合員様ですと管理番号をお調べすることも可能です。
5.まとめ
今回は2022年問題、2030年問題について解説をしました。いかがでしたでしょうか。「ETCが使えなくなってしまうかも」と聞くととても大変なことのように聞こえますが、今から準備をすれば間に合います。
特に社用車など多くの車を所有している場合には早めに確認をして、必要であれば計画的に対応を進めていきましょう。
皆様の良きカーライフのお力添えとなっていれば幸いです。